罪作りな健康雑誌

以前にも健康雑誌のことをちょっと書いた気がするが、毎月よくもネタがあるものだなあと思う。
ダイエット特集は毎回「簡単!」「究極!」「これは効く!」のオンパレード。
そんなに効くものなら、みんなそのダイエットを行って痩せるから、雑誌は売れなくなるはず。
が、しょっちゅう特集が組まれるということは、つまり“そういうこと”なのだ。
 
ダイエットはなかば「趣味」になっている人もいるだろうから、それほど目くじらはたてない。
深刻なのは、健康指南の記事だ。
この食物で糖尿病が治った。
この注射で腰痛がびっくりするほど良くなった。
雑誌には魅力的な文字がおどる。
おそらくこういう雑誌の広告もこの手のものが多いのではないのだろうか。
 
プラシーボ効果」というものがある。
ただの水を「これは薬です」といって飲ませたら、不思議と体に効いたというアレだ。
だからこういったものを信じる人を全て否定はしない。
 
腹が立つのは、もう死ぬまで完治しないだろうと言われる病気を抱えた年金暮らしの老人が、こういったものを信じてしまうことだ。
治ることを信じてなけなしのお金をつぎ込み、一筋の希望に縋る。
雑誌にはそれを行うことによるリスクなど、詳しく書いてあるはずもない。
保険がきかないということがどういうことなのか、年寄りは冷静に考えられない。
 
義母が今、こんな状態である。
雑誌で読んだある治療法について、ネットで調べてもらえないかと言われた。
ネットには様々なことが書いてあるが、それを判断するのは読者。
私は否定的な意見を持っていること、まずはかかりつけの医者に質問して欲しいと伝えた。
こんなのは眉唾物だと笑って流すことの出来ない年代をターゲットにした健康雑誌
もっと質の良いものをつくらないと、いつかダメージを受けることだろう。